転職お役立ち情報
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「転職は若いほうが良い」「30代の転職は難しい」という経験者の声は、30代で転職を考えている人にとって大きな不安要素でしょう。30代になると家族を持っているケースも多く、簡単には転職を決められないことは事実です。
しかし、30代の転職の特徴をしっかり把握し、計画的に進めれば、転職が成功する可能性は十分にあります。
そこで、今回は「30代の転職で成功させるためのポイント」をまとめました。30代で転職すべきかの向き不向きや、求められるスキル、必要な準備事項や注意点など、疑問点を一気に解決しましょう。
目次
さまざまな意見はありますが、将来性などから見て30代になると転職のハードルは高くなります。そのため、安易に転職を決意すると、今の会社を辞めたことを後悔するときが来るかもしれません。
転職を検討している人は、本当に転職すべきなのかをまず確認しましょう。ここでは、30代での転職が向いている人・向いていない人の特徴を紹介します。成功しやすい・転職を前向きに考えるべき人の違い特徴を把握して、転職するか、もう一度考え直すのかを判断してください。
転職のメリットに関してはこちらの記事をご覧ください。
「今の会社では夢や目標が実現できない」という人は転職に向いているといえます。さらに、自分の現状把握がしっかりできており、明確なキャリアプランがある人は、30代の転職でも成功しやすいでしょう。
<転職しても成功しやすい人>
・収入やポジションが下がっても、やりたい仕事がある
・今までの経験や実績をもっと活かせる仕事がほかにある
・転職したい業界や企業がすでに決まっている
・今の会社での評価より、自分の市場価値が高い
反対に、「転職をしたい理由が明確にない」「何となく違うことがしてみたい」という場合は、自分のキャリアプランをはっきりさせてから転職を考えましょう。
また、何かに悩んでいる場合でも、今の職場で解決できるのであれば、転職するリスクを冒さないほうが無難です。
<転職で失敗しやすい人>
・今の仕事に飽きたため、違う業界や職種で一度働いてみたい
・今より楽な職場で年収をアップさせたい
・やる気だけは誰にも負けないと思っている
・年下の上司や先輩から命令されるのが嫌い、もしくはイライラする
30代の転職活動では、やるべきことを確実に、かつ計画的に進めることを意識しましょう。人によっては長期戦になる場合もあるため、効率良く進めることが重要です。
そこで、ここからは求人に応募する前に行っておくべき準備を紹介します。
30代の転職は難易度が上がることから、失敗する人・成功する人が分かれやすい特徴を持っています。実際に、30代で転職した人のなかで、「成功した」と感じている人は半分程度しかいません。
転職を確実に成功させられるよう、しっかり事前準備を進めましょう。
最初に紹介したように、転職理由が曖昧なまま転職を進めても、失敗する可能性が高くなります。そのため、転職を決意したら、なぜ転職したいのか、その理由を明確にしましょう。
転職したい理由が整理できれば、同じような悩みが発生する会社への入社を避けることができます。人によっては、転職したい理由が明確にならなかったり、実は今の会社でも努力次第で悩みを解決できたりと、転職を考え直すきっかけとなるかもしれません。
転職したい理由は次の会社の志望動機につながることもあるため、明確にしてから転職活動を始めましょう。
30代の転職では、自分の経験・スキルが会社のニーズとしっかりマッチしている会社を選ぶことが大切です。そのため、求人に応募する前に、自己分析を徹底的に行い、企業にアピールできる自分の強みを言葉にできるようにしましょう。
自己分析では、主に「キャリアの振り返り」「自分ができることのリスト化」「今後の目標やキャリアプランの設定」を行います。提出書類や面接でアピールできるように、言語化しておきましょう。
ただし、自分の価値を高く設定しすぎないよう注意が必要です。転職エージェントや今の会社のOB・OGに相談して、自分の正しい市場価値を確認してください。最初は、ネット上にある適性診断や年収診断で大まかな市場価値を確認しても良いでしょう。
自己分析や自己PRについてはこちらをご覧ください。
転職したい理由や自己分析で自分の強みを明確にしたら、転職で叶えたい希望に優先順位と妥協点を決めましょう。
転職を決意した理由や、転職で実現したい項目が複数ある人も多いものです。しかし、転職ですべての悩みを解決できるわけではありません。条件が多ければ多いほど、転職の難易度が上がり、転職できる会社がなくなります。そのため、「絶対に実現したいこと」と「実現なくてもいいこと」を決めていきましょう。
たとえば、「管理職としてのキャリアが積めるなら、通勤時間が増えても良い」「残業時間を減らせるなら、年収は増えなくても問題ない」などです。妥協できる範囲が広ければ、それだけ転職活動が進みやすくなります。
転職を成功させるためには、退職とのタイミング調整も重要です。
転職活動には、「働きながら活動をする」または「退職してから活動をする」の2つ方法があります。働きながら転職活動をする場合は、経済的な不安がなく、離職後の空白期間ができない反面、仕事との両立が必要になるため心身ともに負担がかかります。
反対に、退職してから活動する場合は、転職活動に集中することができますが、収入源がなくなり、離職後の空白期間が発生します。
30代の転職では、空白期間ができないよう「働きながら転職活動する」のがおすすめです。空白期間が長くなると、採用に不利になることがあります。
また、収入がない期間ができると、転職活動に使う交通費や生活費の捻出が難しくなります。特に家族がいる場合は、収入がない期間ができると家族の生活や子どもの養育に影響が出るため、パートナーに相談して退職するタイミングを計りましょう。
退職願や退職届の書き方はこちらをご覧ください。
新たな道を進みたいという場合は、異業種の求人を狙っても良いでしょう。
30歳を超えると未経験の業界・職種に転職が難しくなるとお伝えしましたが、実は業界経験不問の求人は多く存在してます。実際に転職した人の数も、異業種への転職のほうが多くなっています。
これは、企業が「前職での経験」ではなく「新しい職場でも活かせる経験・スキル」を重視しているためです。今とは全く違った業界の仕事も検討してみましょう。
30代での転職を決心したら、最初にキャリアプラン・ライフプランを立てていきましょう。自分がどのようなキャリアや人生を歩んでいきたいのかによって、選ぶ企業や働き方が変わってきます。
とくに、30代は結婚や出産・育児など人生における大きなイベントが多数発生します。やみくもに転職しても、生活の変化に合っていない仕事であれば、再度転職を迫られる可能性があるので要注意です。
キャリアアップについてはこちらをご覧ください。
ここまで紹介した通り、企業は30代の転職者に、即戦力として活躍するためのスキルや経験を求めています。そのため、今の会社で実績を作って地盤を固めておくことで、実績に裏付けられたスキルを転職活動でアピールすることができます。
チームを率いて○%の売り上げアップを達成した・業務フローを見直し作業時間の2割削減に成功したなど、具体的な実績を提示できることが理想です。自分が企業に貢献できる人材であることを証明できるので、より好条件での転職が達成できるでしょう。
30代になると、やる気だけでは採用されにくくなります。これは、企業が社員に求めるものが、20代と30代で異なるためです。
20代では「伸びしろ」や「やる気」が特に重視されますが、年を重ねるごとに経験やスキル求められるようになります。30代前半と後半でも求められるものが変わるため、企業が何を求めているのか正確に把握しましょう。
ビジネスにおいては、常に変化するニーズや人間関係、ビジネスツールに対応していく力は大変重要です。そのため、企業は「柔軟な考え方ができる」「新たな価値観を取り入れられる」「IT時代の変化に対応できる」といった適応力がある人を求めています。
今の時代は、年齢関係なく上司・部下になる可能性があります。ビジネスマナーも日々変化しており、従来の常識が通じないことも多々あります。そのため30代前半・後半問わず、「多少の変化があってもパフォーマンスが変わらない人」が重宝されています。
転職時には、環境に適用するための具体的な行動や、周囲からの評価を交えてアピールすると良いでしょう。
即戦力性とは、ビジネスパーソンとしての教育が完了しており、新しい会社に入ってもすぐに活躍できる力です。即戦力性に対するニーズは、30代になると一気高まります。さらに、年を重ねれば重ねるほどキャリアが長くなることから、30代前半よりも後半の転職者のほうが重要視されます。
特定業種の専門的スキルはもちろん、対人能力(ヒューマンスキル)や判断力といった全職種で共通するスキルがあると、大きなアピールポイントとなるでしょう。転職時には、客観的に即戦力性を判断できるように「経験」「成果」「失敗からの学び」などを伝えるのがおすすめです。
組織におけるマネジメント能力も、企業が30代の社員に求めるスキルです。マネジメント能力とは、チームをまとめていく「リーダーシップ」や、部下や新人を育てる「教育力」「指導力」など、組織を円滑に運営する力を指します。組織内で権限を持つことになるため、周囲から尊敬されたり、支持されたりする「信頼関係構築力」が含まれることもあります。
30代前半ではマネジメント経験がある人が少ないことから、特に30代後半の転職者に求められるスキルです。
強くアピールできるマネジメント経験がない場合は、「社内での立ち位置」や「後輩への日々の指導」「自己マネジメントの経験」を伝えると良いでしょう。
ここまでの内容で、転職を前向きに検討している人も多いでしょう。しかし、30代での転職では、良い結果ばかりが得られるわけではありません。これから本格的に転職活動を進めていくなら、30代で転職するデメリットを理解することも重要です。
そこで、ここでは30代の転職におけるメリットとデメリットを紹介します。
<30代で転職するメリット>
・いままでの経験・スキルを活かせる
・給料・ポジションが上がる場合が多い
・リーダー・幹部としてのニーズが高い
<30代で転職するデメリット>
・ゼロからキャリア形成するのが難しい
・求人数が減る
・異業種・異職種に転職する場合に年収・ポジションが下がるリスクがある
デメリットやリスクについては、あらかじめ覚悟して転職活動を進めるようにしましょう。
30代にもなると、ビジネスパーソンとしてある程度キャリアを積んでいる状態です。そのため、これまでの経験やスキルを転職活動の自己PRに活かすことができます。
先に紹介した、適応力・即戦力性・マネジメント能力やビジネスマナーはもちろん、交渉力やプレゼン力も重宝されるでしょう。実務経験や業務経験が高く評価される場合もあります。
中途採用を積極的に行っている企業の多くは、会社に貢献してくれる経験・スキルを持つ人材を求めています。すでに十分な経験・スキルがある場合は、20代よりも有利に転職を進められるでしょう。
30代の転職では、これまでの経験・スキルによって、給料アップやポジションアップが期待できます。特に、転職者の持つ能力が、会社のニーズと合致していれば、仕事環境は格段に良くすることが可能です。さらに、新しい職場で経験やスキルを発揮できれば、その後のキャリアや待遇にも好影響を与えることができるでしょう。
現在の会社で昇給・昇格が期待できない人にとって、経験やスキルを活かせる転職は大きなチャンスとなります。
企業が求める「適応力」「即戦力性」「マネジメント能力」の3つのスキルを持つ場合、プロジェクトリーダーや幹部、幹部候補生としてのニーズが高まります。前職で大きな実績がなくても、転職と同時に管理職のポジションがもらえれば、ワンステップ上のキャリアを積むことができるでしょう。
経験やスキルが乏しい20代よりも、転職後に良いポジションに就きやすいという点は、30代での転職の大きなメリットです。
30代で転職するデメリットとしては、ゼロからキャリアを形成するのが難しいという点が挙げられます。
20代の転職者に対しては、やる気や伸びしろに期待して、育成方針を取る企業は多いものです。また、若くて吸収力に優れる若い人材には、新人として学ぶ環境が整えられています。
一方で、30代の社員は一般的に社員教育が終了しているため、ゼロから教育してくれる企業は少なくなります。30代は即戦力としてのニーズが高くなるため、未経験の業界・職種に転職し、ゼロからキャリアを築くことは難しくなるといえるでしょう。
全く新しい仕事に就きたい場合は、若い人材と競う覚悟が必要となります。
20代に比べて、応募できる求人数や採用される人数が少ない点は、30代での転職のデメリットです。特に、30代後半になると求人数が大きく減る傾向があります。
経験とスキルがある30代の転職者が求められるのは、役職や管理職です。そもそも役職や管理職のポストは少ないため、必然的に採用される人数は少なくなります。管理職に空きが出ても、持ち上がりでポストが埋まることも多く、求人自体が出ない企業もあります。一方で、一般社員や新人のポジションは、教育しやすい若い人材が求められています。
企業が求める経験・スキルを持っていないと、30代での転職は厳しいでしょう。
異業種・異職種に転職する場合では、今まで培った経験やスキルを活かせない可能性が高くなるため、年収やポジションが今より下がってしまうこともあります。
給料やポジションを下げたくないという方は、なるべく今までの経験やスキルを活用できる職種に転職するようにしましょう。
年収やポジションが下がると、日々の生活が苦しくなる場合もあります。30代での転職では、新しい会社に入社したあとのキャリアプランや目標もしっかり立てておきましょう。
30代の転職では、経験や実績を積んでいる分、選択肢は広がりますが、同時に失敗のリスクも高まります。特に年収交渉での焦りから、条件面での妥協を重ねてしまったり、業界変更時の覚悟が不十分だったりするケースが目立ちます。
転職を成功させるためには、事前の市場価値の把握や、業界研究が欠かせません。また、ブランクがある場合は、スキルアップや資格取得に取り組むなど、具体的な対策を立てることが重要です。これらの準備を怠ると、転職後のミスマッチや待遇面での後悔を招く可能性があるので注意が必要です。
30代の転職において、年収交渉は将来の生活設計に大きく影響する重要な要素です。適切な交渉を行うためには、いくつかの重要なポイントを押さえる必要があります。
年収交渉で最も重要なのは、市場価値を正確に把握することです。過大な要求は採用を遠ざけ、過小な要求は将来の年収上昇の機会を逃すことになります。
交渉の際は、基本給だけでなく、賞与や各種手当を含めた年収総額で判断することが重要です。また、将来的な昇給制度や評価制度についても確認しましょう。
面接では「なぜその年収が必要なのか」という質問に対し、具体的な根拠を示しながら論理的に説明できる準備が必要です。家族構成やライフプランなども踏まえた説明ができると、より説得力が増します。
30代での業界・職種変更は大きなチャンスである一方で、慎重に検討すべき課題も多く存在します。特に経験やスキルの転用が難しい場合は、いくつかの落とし穴に注意が必要です。
特に注意すべきは、安易な決断による転職は避けるということです。30代は転職市場での評価が厳しくなる年代であり、業界・職種変更の失敗は大きなリスクとなります。
現実的な年収の見通しを立てることも重要です。未経験からのスタートでは、一時的な年収ダウンは避けられない場合が多く、その覚悟が必要です。
転職活動において、ブランクがあることは大きな不安要素となりますが、適切な対策を講じることで十分にカバーできます。
30代の転職では、ブランクを埋めるための具体的な行動と説得力のある説明が重要です。企業側が最も懸念するのは、ブランク期間中のスキルの低下や、仕事への適応能力です。
面接官が最も知りたいのは、現在の意欲とスキルレベルです。ブランクを言い訳にせず、その期間をどう活かしたかを具体的に説明できることが重要です。
なお、履歴書や職務経歴書では、ブランクの期間も正直に記載しましょう。隠そうとすることで、かえって不信感を招く可能性があります。
30代で転職を考える際は、さまざまな不安や疑問が発生するでしょう。ここでは、これまでに解決できていない30代の転職によくある疑問に回答します。
<30代の転職者が抱えやすい6つの疑問>
①未経験でも転職できる?
②30代で転職を決めた人たちの転職理由は?
③30代の転職活動に必要な期間は?
④30代の転職は不利?
⑤年収は上がる?下がる?
⑥転職を家族に反対されたら?
「30代で転職した人たちの意見が聞きたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
「未経験だけどやりたい仕事がある」「求人に未経験の場合は30歳までとあった」という場合、本当に未経験でも転職が可能か不安になるでしょう。しかし、先述の通りハードルは上がりますが、転職が不可能になるわけではありません。
30代前半であれば、業界問わず、20代と同様に未経験でも採用される可能性は十分にあるでしょう。ただし、未経験の業界・職種へ転職した7割の人は「難しかった」と感じています。転職前に関連する資格を取得したり、非正規労働者として経験を積んだりと、積極的な努力も必要となるでしょう。
一方で、30代後半で未経験の場合、未経験の職種へ転職はかなり厳しくなります。なかでも、士業やプログラマー、エンジニアなど多くの知識と経験が必要となる職業への転職は、非常に困難です。ただし、経験・知識がそれほど必要ない警備員や、人手不足になりやすい介護職や配送スタッフは、30代後半・未経験でも比較的転職しやすいでしょう。
「30代での転職は難易度が上がる」といわれるなか、実際に転職した人たちは、どのような理由で退職を決意したのか気になる人も多いでしょう。下記は30代で転職した人たちのよくある退職・転職理由です。
・他にやりたい仕事ができた
・専門的知識・技術を身に着けたい
・キャリアアップしたい
・会社の経営状態が不安/会社の将来性が不安
・残業が多く、休日が少ない/ワークライフバランスを見直したい
・給料を上げたい
このように、30代の転職では、多くの人が長期的な目線を持って転職に臨んでいることがわかります。退職理由としてよく挙げられる「人間関係」や「勤務地」などは、30代での転職ではあまり聞かれません。人間関係も勤務地も、職場とよく相談することで解決できるケースが多いため、まず職場内で解決を図ってみましょう。
人にもよりますが、30代の転職活動は、準備から内定まで3~6ヶ月程度は見ておくようにしましょう。自己分析や情報収集などの準備期間は2週間~1ヶ月程度、求人に応募し始めてからは2~3ヶ月が一般的です。
30代の転職は、求人数が少なかったり、慎重に会社を選んだりと20代に比べると少し時間がかかる傾向があります。年齢制限がある求人も存在するため、30代後半の場合は余裕を持ったスケジュールで転職活動を始めるのがおすすめです。
求人への応募から面接は、企業側の都合もあるため、なかなか自分のペースで進めることができません。そのため、短期間で転職活動終わらせたい場合は、スケジューリングと事前準備に力を入れて、書類の応募や面接に備えておくと良いでしょう。
実際に30代の転職で不利に感じなかった人がいることからも分かるように、30代だからといって年齢だけが原因で大きく不利になることはありません。20代と30代では転職で重視されるポイントや進め方が異なると認識するとよいでしょう。30代の転職の特徴を把握し、転職するタイミングを見誤らなければ、十分に希望の職場への入社を目指すことができます。
ただし、転職回数が4回以上ある・アピールできるスキルや経験がないといったマイナス要素があると転職が思ったように進まない可能性があります。年齢よりも、「自分の強みを活かせるのか」「自分の市場価値を考慮した転職活動ができるか」といったことのほうが、有利・不利を左右しやすいでしょう。
転職において、年収の増減は転職が成功するか否かを決める大きなポイントとなります。厚生労働省「平成27年転職者実態調査」によると、30代の転職では4~5割の人が年収アップ、2割の人が金額据え置きで転職できています。もちろん年収が下がる可能性もありますが、転職で年収を下げたくないという人でも転職しやすい環境にあるといえるでしょう。
ただし、ここで注意したいのが、年収が上がっても満足度が上がるとは限らない点です。たとえ年収が上がったとしても、自分が希望していた条件をクリアしないと転職が成功したとはいえません。転職を満足いくものにするためには、「もっと家族と過ごしたい」「より高い役職に就きたい」「リモートワークをしたい」など、年収にこだわり過ぎず自分の希望を叶える転職活動をすることが重要です。
30代になると家庭を持っている人も多いでしょう。家庭がある場合に問題となりやすいのが、30代での転職を家族に反対されるパターンです。とくに結婚を控えている/結婚したばかりの人や、出産を控えている/子どもが生まれたばかりという人は反対されやすい傾向があります。
反対された場合は、自分のことだからと独断で転職を決めてしまわず、家族の同意を得てから進めることが重要です。収入が減る可能性があれば、子どもの養育費や住宅ローンの返済にも影響してきます。独断で決めてしまうと関係に亀裂が入りかねないため、家族の不安を解消して、転職を応援してもらえるようしっかりと話し合いをしましょう。
30代での転職は十分に可能ですが、20代の転職と同じように転職活動を行えば、書類選考や一次面接で落とされる可能性があります。30代での転職で失敗すると、再度転職を考えなければなりません。
最後は、30代の転職で失敗しないための注意点を紹介します。30代の転職にはさまざまな障害がありますが、注意点を知っておくだけで成功する確率を上げることができます。
30代の転職では、熱意・やる気の過剰なアピールは、逆効果になる可能性があります。
経験が浅い20代であれば、熱意・やる気を一番にアピールしても良いでしょう。しかし、30代の転職者に対して、企業は年齢相応もしくはそれ以上の経験とスキルを求めています。にもかかわらず、熱意・やる気ばかりアピールしていれば、会社の求める経験やスキルを持っていないと思われてしまいます。
転職においては、熱意・やる気は年齢関係なく必須の要素です。そのため、30代の転職では、「企業が求める経験・スキルを持っているのか」「どのように会社に貢献できるか」をしっかり伝えることが重要となります。
ある程度経験や実績を積んできた30代のなかには、プライド(自尊心)が高い人も多くいます。しかし高すぎるプライドは、転職活動の邪魔になる可能性があるため、注意が必要です。
30代で転職すると、転職先の上司が年下になる場合もあります。自分よりも経験が浅い人が先輩になることも考えられます。このような場合にプライドが高いと、下手に対抗意識を持ってしまい、人間関係を壊しかねません。新しい環境に入るときは、プライドを高く持ちすぎず、謙虚さや協調性を大切にしましょう。
特に新しい業種・職種に挑戦するときは、一度プライドを捨てる覚悟が必要です。
30代の転職では、年収にこだわりすぎると失敗するリスクがあります。
転職では、年収アップすることもあれば、ダウンすることもあります。しかし、十分な額のボーナスが年に2回あったり、昇給の評価基準が明確だったりと、年収の額面だけでは図れないメリットがある場合もあります。年収にこだわりすぎていると、好待遇の求人を見逃す可能性があるのです。
入社する企業を選ぶときは、年収以外の待遇も含めて総合的に判断してください。昇給しやすい環境が整っている会社もあるため、長期的に収入をアップさせていくことを考えることも大切です。
30代の転職では、IT業界やコンサルティング業界、メディカル業界など、専門性の高い分野で豊富な求人があります。特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に伴い、IT人材の需要は年々増加傾向にあり、未経験からでもチャレンジしやすい環境が整っています。
また、30代は経験とスキルの蓄積期であることから、マネジメント職やスペシャリスト職など、より責任のある立場での転職も視野に入れやすくなります。業界研究と自己分析をしっかり行い、自分の強みを活かせる職種を選ぶことで、キャリアアップの可能性が広がりますよ。
30代の転職で年収アップを目指すなら、成長産業や人材不足が深刻な業界を狙うのがポイントです。具体的なデータと市場動向から、特に年収アップが期待できる業界をご紹介します。
現在の日本では、デジタル化の推進や人材不足を背景に、いくつかの業界で積極的な採用と高待遇での転職者の受け入れが行われています。
年収アップを実現するには、単に高給与の業界を選ぶだけでなく、自身の経験やスキルを活かせる職種を選択することが大切です。特に30代では、これまでのキャリアを活かしながら、新しい分野にチャレンジできる絶好のタイミングとなっています。
本記事の振り返りの意味も兼ねて30代の転職に関するよくある質問をご紹介します。
30代の転職で成功しやすい人は以下のような人が該当します。
・収入やポジションが下がっても、やりたい仕事がある
・今までの経験や実績をもっと活かせる仕事がほかにある
・転職したい業界や企業がすでに決まっている
・今の会社での評価より、自分の市場価値が高い
一方で以下に該当する方は考え直した方がいいかもしれません。
・今の仕事に飽きたため、違う業界や職種で一度働いてみたい
・今より楽な職場で年収をアップさせたい
・やる気だけは誰にも負けないと思っている
・年下の上司や先輩から命令されるのが嫌い、もしくはイライラする
30代の転職者に対して、企業が求めるスキルにはさまざまなものがありますが代表的な3つのスキルは以下の通りです。
・適応力
・即戦力性
・マネジメント能力
30代から転職する場合のメリットは以下の通りです。
・いままでの経験・スキルを活かせる
・給料・ポジションが上がる場合が多い
・リーダー・幹部としてのニーズが高い
30代から転職する場合のデメリットは以下の通りです。
・ゼロからキャリア形成するのが難しい
・求人数が減る
・異業種・異職種に転職する場合に年収・ポジションが下がるリスクがある
今回は、30歳を超えてからの転職を成功させるポイントを詳しく解説しました。
30歳以上になると、企業から求められるものが変わったり、求人数が減ったりするため転職のハードルが上がります。年を重ねるごとに会社から求められる経験やスキルのレベルはアップし、未経験職種への転職は難しくなります。
30代前半で転職を考えている場合は早めの行動をおすすめします。30代後半であれば、自分としっかりとマッチする会社を広い分野から選び、経験・スキルをしっかりアピールしましょう。
質問に答えるだけであなたのお悩みに対して、最適な情報をお届けします。