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外銀とは?主要外銀の紹介や業務内容、必要なスキルについてご紹介

​​「外銀への転職を考えているけれど、求められるスキルや実際の仕事内容がわからない」「外資系金融機関は環境が厳しいと聞くけれど、本当にどんな働き方をするのだろう」といった悩みを持つビジネスパーソンは少なくありません。

この記事では、外銀の基本的な定義から、日本で活躍する主要な外銀の特徴、主要部門と業務内容、そして転職に必要なスキルや資格まで幅広く解説していきます。さらに、外銀で働くメリットとデメリットについても説明し、皆さんのキャリア選択に役立つ情報をお届けします。

外銀とは

外銀(外資系銀行)とは、海外に本拠地を持ち日本で事業展開する金融機関を指します。アメリカやヨーロッパの大手金融グループが多く、国際的な金融ネットワークを活かした幅広いサービスを提供しています。

一般的に高度な金融技術や革新的な商品開発に強みを持ち、グローバルな視点からの金融サービスが特徴的です。

投資銀行と商業銀行の違い

投資銀行は主に企業や政府向けに専門的な金融サービスを提供しています。具体的には、M&A(合併・買収)のアドバイザリー、企業の株式や債券の発行支援、引受業務などが中心的な業務です。

一方、商業銀行は個人や企業からの預金受け入れと融資を主な業務としており、より伝統的な銀行サービスを展開しているといえるでしょう。

近年ではこれらの境界が曖昧になりつつあり、総合金融サービスを提供する金融機関も増えてきました。

日系銀行と外銀の違い

日系銀行と外銀には、組織文化や業務内容、報酬体系などに顕著な違いがあります。

まず、組織文化において、日系銀行は年功序列や終身雇用的な考え方が根強く残っています。

一方、外銀では実力主義が徹底されており、年齢や勤続年数よりも成果や能力が評価される環境です。このため外銀では若手でも実力があれば早期に重要なポジションに就くチャンスがあります。

業務範囲と専門性にも違いが見られます。日系銀行は個人・法人向けの預金、融資、決済など幅広いサービスを総合的に提供する傾向があります。

これに対して外銀は特定の分野に特化しており、M&Aアドバイザリーや債券・株式の引受業務、デリバティブなどの高度な金融商品を扱うことが多いです。

日本で活躍する主要外銀の特徴

日本市場には多くの外銀が拠点を構え、独自の強みを持って活躍しています。ゴールドマン・サックス、JPモルガン、バークレイズといった世界的な金融機関は、それぞれ特色ある戦略で日本においても存在感を示しているのが特徴です。

ゴールドマン・サックス

ゴールドマン・サックスは、世界最大級の投資銀行として外銀業界における金字塔的存在です。特に日本市場においては、M&Aアドバイザリーと株式引受業務に強みを持ち、大型案件を数多く手掛けています。

なぜ同社が注目されるかというと、まず世界トップクラスの金融ノウハウと圧倒的な情報収集力を有しているからです。

日本拠点では約1,100人の従業員を抱え、金融業界でも最高水準の人材が集結しています。また同社の企業文化は「クライアント第一主義」を掲げており、顧客にとって最適な金融ソリューションを徹底的に追求する姿勢が評価されているのです。

JPモルガン

JPモルガンは、アメリカを本拠地とする世界有数の総合金融機関として、外銀市場においてトップクラスの存在感を示しています。

日本においても約100年の歴史を持ち、総合的な金融サービスを提供している点が大きな特徴です。

JPモルガンが外銀として評価される理由は、投資銀行業務とコマーシャルバンキングの両方に強みを持つバランスの取れた業務展開にあります。

特に日本市場では、大型M&A案件の仲介やファイナンシャルアドバイザリー業務において高い実績を誇っています。

また、企業向け融資や資金調達支援においても、グローバルなネットワークを活かした独自のソリューションを提供しているのが魅力でしょう。

バークレイズ

バークレイズは英国を代表する外銀として、日本市場で独自のポジションを確立しています。

2008年に買収したリーマン・ブラザーズの日本部門を基盤に、投資銀行業務と市場取引に強みを持つ総合金融機関として発展してきました。

バークレイズが外銀市場で評価される大きな理由は、債券市場における高い専門性と取引量の多さです。特に債券発行業務とトレーディングにおいては、日本市場でもトップクラスの実績を誇っています。

また、企業の財務戦略やリスクヘッジに関するアドバイザリー業務にも定評があり、日本企業と外国企業の間の重要な橋渡し役を担っています。

外銀の主要部門と業務内容

外銀の組織構造は、主に投資銀行部門(IBD)、マーケット部門、リサーチ部門の3つに大別されます。これらの部門はそれぞれ異なる専門性を持ち、金融市場で重要な役割を担っています。

各部門では高度な金融知識と分析スキルが求められ、国際的な取引や戦略的アドバイスを提供することが期待されるでしょう。

投資銀行部門(IBD)

投資銀行部門(IBD)は、外銀の中核を担う注目度の高い部門です。主にM&A(合併・買収)案件や資金調達に関するアドバイザリー業務を行い、企業の重要な経営判断をサポートしています。

具体的には、IBDでは企業の買収・売却、合併の仲介といったM&Aアドバイザリー業務を中心に、株式公開(IPO)や増資、社債発行などの資金調達支援を行います。

クライアント企業の財務戦略に深く関わり、複雑な金融取引の設計から実行までを一貫してサポートするのが特徴的です。

マーケット部門

外銀のマーケット部門は、金融市場における売買取引(トレーディング)を主軸とした部門です。クライアントの資産運用や為替リスク管理など、市場を通じた多様な金融サービスを提供しています。

マーケット部門がなぜ外銀の大きな柱となっているかというと、世界中の金融市場での取引から利益を生み出す高い専門性を持っているからです。

特に、株式・債券・為替・コモディティ(商品)などの金融商品を瞬時に売買する能力や、市場の微細な動きを捉える分析力が求められます。

リサーチ部門

外銀のリサーチ部門は、金融市場や経済動向、企業分析に関する専門的な調査・分析を行い、質の高い情報を提供する重要な役割を担っています。

リサーチ部門が高く評価される理由は、投資判断や戦略策定の土台となる客観的な分析と洞察を提供しているからです。

アナリストたちは特定の業界や企業を深く研究し、財務データの分析だけでなく、業界トレンドや競争環境、経営戦略の評価まで包括的な調査を行います。

その分析結果は社内の各部門やクライアントの意思決定に直接影響を与えるため、正確性と独自性が強く求められるのが特徴的です。

外銀転職に必要なスキルと資格

外銀への転職を成功させるには、特定のスキルと資格が求められます。外資系金融機関は日系企業と比較して、より専門的な知識や国際的な視点を持つ人材を求める傾向にあります。

高い英語力

外銀への転職において、英語力は重要なスキルの一つです。多くの外資系金融機関では日常的に英語でのコミュニケーションが求められるため、少なくともビジネスレベル(TOEIC 800点以上)の英語力が必要となります。

なぜ高い英語力が必要なのでしょうか。外銀では海外の本社や他拠点とのコミュニケーション、グローバルクライアントとの対応、国際会議への参加など、日常業務のあらゆる場面で英語を使用するためです。特に投資銀行部門やマーケット部門では、英語での分析レポート作成やプレゼンテーション、電話会議などが日常的に行われています。

論理的思考と分析力

外銀では文書作成やデータ分析の場面で論理的な思考力が必須です。クライアントへの提案や投資判断において、感覚的ではなく論理的な根拠に基づいた分析が求められるからです。

具体的には、MECE(相互排他的・全体網羅的)な思考法や仮説思考といったビジネスロジックの基本を身につけておく必要があります。

例えば、M&A案件の分析では、対象企業の財務状況を多角的に検証し、リスクと機会を明確に区分けしながら結論を導きます。この過程では、膨大なデータから本質的な要素を抽出し、筋道立てて考えるスキルが不可欠となるでしょう。

有利になる資格

外銀での成功を左右する資格は、金融知識の証明と専門性のアピールになります。

CFA(公認証券アナリスト)は外銀では権威ある資格の一つとされています。特に投資銀行部門やリサーチ部門への転職を考える場合、CFAは金融分析の専門性を証明する強力な武器になるでしょう。

MBA(経営学修士)も外銀では高く評価される学位です。特にハーバード、スタンフォード、ウォートンなどの海外トップスクールのMBAは、グローバルな視点と専門知識を兼ね備えていることの証明になります。

外銀で働くメリットとデメリット

 

外銀で働く最大のメリットは、日系企業と比較して圧倒的に高い年収水準にあります。成果に応じたボーナスシステムにより、業績次第では年収が大きく伸びる可能性があるでしょう。また、グローバルな環境で世界標準のビジネススキルを身につけられる点も魅力的です。

一方で外銀特有のデメリットも忘れてはなりません。厳しい成果主義が徹底されており、常に結果を出し続けるプレッシャーがあります。

また、市場環境の変化に伴う突然のリストラリスクや、長時間労働によるワークライフバランスの崩れといった課題も考慮する必要があるでしょう。

自分の価値観や働き方の優先順位と照らし合わせて検討してみてください。

外銀で働くメリット

外銀で働く最大のメリットは、日系金融機関と比較して著しく高い年収水準です。特に投資銀行部門やマーケット部門では、基本給に加えて業績連動型のボーナスが支給され、優秀な人材であれば年収1000万円を超えることも珍しくありません。

外銀で働くことで得られる二つ目の大きなメリットは、グローバルキャリアの構築が可能な点です。世界中にネットワークを持つ組織で働くことで、国際的な金融知識や英語でのビジネスコミュニケーション能力が自然と身につきます。

また、多くの外銀では海外拠点への異動やグローバルプロジェクトへの参加機会も豊富で、将来的な海外転職や国際的なキャリアパスの選択肢が広がるかもしれません。

デメリット

外銀での働き方には高い年収や国際的なキャリアといった魅力がある一方で、見過ごせない課題も存在します。

外銀のデメリットは、日系企業と比較して厳格な成果主義が貫かれている点にあります。数値目標の達成が最優先され、目標未達の場合は評価が下がるだけでなく、最悪の場合は解雇につながることもあるでしょう。

こうした厳しい評価制度は必然的に高ストレス環境を生み出します。常に成果を出し続けるプレッシャーの中、深夜や週末の急な業務対応は日常茶飯事です。

特に投資銀行部門では「朝6時に帰宅して、10時に出社」といった生活リズムも珍しくなく、心身の健康を損なうリスクと隣り合わせといえるかもしれません。

まとめ

外銀とは外国資本の銀行であり、日本の金融市場において独自の存在感を示しています。投資銀行業務を中心に展開する外銀は、日系証券会社や金融機関と比較して、グローバルな視点とより専門的なサービスを提供しているのが特徴です。

外銀で働くことには、高年収やグローバルなキャリア構築、実力主義の評価といったメリットがある一方で、厳しい成果主義や高ストレスの環境、雇用の不安定さといったデメリットも存在します。

この知識を活用して、自分のキャリア目標や価値観と照らし合わせながら、外銀という選択肢が自分に適しているかどうかを判断してみてください。