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業界レポート
企業の働き手となる従業員が不足し、事業を継続することが困難になってしまう「人手不足倒産」ですが、2023年の件数が過去最多になったことがわかりました。
一体何が原因で、2024年以降はどうなっていくのでしょうか。
帝国データバンクの調査によると、2023年の人手不足倒産件数は累計で260件になり、年間ベースで過去最多の件数になりました。
出典:人手不足倒産の動向調査(2023年)| 株式会社 帝国データバンク[TDB]
それまでの年間最高件数は2019年の192件であり、200件を超えたことはなかったのですが、2023年になって一気に260件まで増加しました。
その要因にはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
2022年の人手不足倒産件数の内訳と比較してみると、建設/物流業の増加が目立ちます。
人手不足倒産件数 | 2022年 | 2023年 |
建設業 | 34件 | 91件 |
物流業 | 20件 | 39件 |
建設業に至っては、34件から67件増加して91件となっていて約2.5倍にもなっています。
その原因としては新型コロナウイルスの影響があると考えられています。
2020年以降に新型コロナウイルスが拡大し、経済活動が制限された中で多くの業界にダメージを与えた反面、コロナ禍でも稼働できる建設/物流業界は活発であり、働き手に困った人々がそれらの仕事をになっていたのです。
しかし、2023年に入り本格的に「アフターコロナ」が到来したことによって徐々に経済活動が再開し、人々は本来の仕事に戻っていきました。
その影響もあってか、一時的に働き手の増えていた建設業や物流業の人材が不足し始めたのです。
建設/物流業界は、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用される「2024年問題」に直面しており、人手不足はさらに深刻化していくことが予想されています。
また、団塊の世代と言われていた世代が後期高齢者に到達する「2025年問題」も迫っていて、業界を問わず人材不足問題は深刻な課題になっていくでしょう。
多くの企業にとって、今後人材を確保して事業を継続させていくことは大きな課題となることが予想されるため、転職市場も活性化していくことが予想されます。
人手不足が深刻化していくということは、裏を返せば「売り手市場になっていく」とも言えるでしょう。
企業はこぞって人材を募集するため、求職者の価値が上がり今までよりも高待遇で転職できる可能性が高まります。
これを機に自分の市場価値を確認し、転職を検討してみてはいかがでしょうか。